空間の記憶
篠山まちなみアートフェスティバル(兵庫県篠山市)
制 作:2013年
素 材:アルミホイル
サイズ:H80×W45×D180cm 2kg
いまから六十年前、この町屋は油屋だった
道向かいの 黄色い給油機が 高田商店の歴史を物語る
活気のあった時代を再現しようと
スーパーカブの抜け殻を作った
篠山市の妻入商家群の一角に佇む、黄色いレトロな給油器に目が止まって10年になる。
どうしてここに給油機があるのだろうと眺めていたが、深く考えることはなかった。町家に足を踏み入れた時、ただならぬ「歴史感」と「空虚感」を感じた。そして、「ここがガソリンスタンドの前身を作ったところなんだ」という不思議な時間的な感覚を感じた。給油機と町家の関係が繋がり、賑わっていた頃の絵が脳裏に浮かんだ。
本作では、その時代を写す抜け殻を時代の象徴として配置し、活気のある時代の記憶と気配を再現しようと試みた。
ここに訪れた方が、頭の片隅にある「記憶」や「想像」と繋がるタイムトンネルとなればと思い制作した。